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酵素法によるポリアミン測定キットの基礎検討
著者: 亀岡秀昭1 真重文子1 亀井幸子1 大久保昭行1 山中學1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.215 - P.218
文献購入ページに移動尿中ポリアミンは1971年,Russellら1)により種々の癌患者で高値を示すことが報告されて以来,腫瘍の診断および治療効果判定のマーカーとしての意義が注目されてきた.これまでの腫瘍マーカー(α-FP, CEAなど)は特殊な腫瘍が対象であるのに対し,ポリアミンは多くの種類の腫瘍がその対象となる可能性があり,この点からも期待されている.しかし,ポリアミンの測定に従来用いられていた方法はHPLC, GC, TLC,RIAなどで,いずれも煩雑な操作を必要とし,あるいは測定に長時間を要するものである.また,尿中ポリアミンは大部分がアセチル抱合体として存在するため,従来の測定法ではいずれも測定に先だって,抱合型ポリアミンを遊離型ポリアミンに変えていた.従来用いられていた方法は,塩酸加水分解法などもっぱら化学的な方法で長時間(110℃,12〜18時間)の処理が必要で,このこともポリアミン測定を煩雑なものにして,ポリアミン測定が日常臨床検査に利用されるうえでの妨げとなっていた.
最近,前処理としての加水分解も酵素的に行える尿中ポリアミンの酵素測定キット試薬「ポリアミン・テストーエンザイム」(徳山曹達〔株〕)が開発され,これを使用する機会を得たので,基礎的な検討を加えてその結果を報告する.
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