文献詳細
文献概要
今月の主題 画像診断 画像診断装置
マグネチックフィールド
著者: 小谷誠1
所属機関: 1東京電機大学工学部電子工学科
ページ範囲:P.268 - P.270
文献購入ページに移動1.はじめに
人間が身体を動かしたり,心臓が収縮したりするのは,体内に発生する約0.1Vの活動電位によって神経細胞を刺激するからである.特に心筋内で発生した活動電位を体表面で測定したものが心電図であり,これは1903年に初めて測定されている.生体内に電圧が発生すると,生体は絶縁物でないので,これによって生体内に電流が流れるはずであるから,生体から磁界が発生していることは以前から考えられていた.しかしながら,磁界があまりに微小であるため測定することができなかった.1963年にBaule1)らによって,フェライト棒に約200万回巻いた磁束検出コイルを用いて,初めて胸壁面上で心臓の発生する磁界,すなわち心磁図の計測に成功している.その後,1970年にMITのCohen2)らは,新しく開発された超高感度SQUID磁束計を用い,磁気シールド・ルーム内で雑音の無い安定した心磁図の測定に成功している.
人体各部から発生する磁界とその大きさを図1に示す.図1からもわかるように,人体からの磁界は非常に微小であるため,大部分の磁気計測にはSQUID磁束計を用いなければならない.そのため,生体磁気信号計測の研究はSQUID磁束計の開発された1970年ごろから始められ,現在,世界十数か国で研究が行われている.
人間が身体を動かしたり,心臓が収縮したりするのは,体内に発生する約0.1Vの活動電位によって神経細胞を刺激するからである.特に心筋内で発生した活動電位を体表面で測定したものが心電図であり,これは1903年に初めて測定されている.生体内に電圧が発生すると,生体は絶縁物でないので,これによって生体内に電流が流れるはずであるから,生体から磁界が発生していることは以前から考えられていた.しかしながら,磁界があまりに微小であるため測定することができなかった.1963年にBaule1)らによって,フェライト棒に約200万回巻いた磁束検出コイルを用いて,初めて胸壁面上で心臓の発生する磁界,すなわち心磁図の計測に成功している.その後,1970年にMITのCohen2)らは,新しく開発された超高感度SQUID磁束計を用い,磁気シールド・ルーム内で雑音の無い安定した心磁図の測定に成功している.
人体各部から発生する磁界とその大きさを図1に示す.図1からもわかるように,人体からの磁界は非常に微小であるため,大部分の磁気計測にはSQUID磁束計を用いなければならない.そのため,生体磁気信号計測の研究はSQUID磁束計の開発された1970年ごろから始められ,現在,世界十数か国で研究が行われている.
掲載誌情報