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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻4号

1984年04月発行

文献概要

今月の主題 呼吸と循環(生理検査) 総説

気管支—肺胞洗浄液検査

著者: 安岡劭1 島田久夫1

所属機関: 1徳島大学医学部第三内科

ページ範囲:P.403 - P.411

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気管支—肺胞洗浄法が臨床診断法として発達した背景
 ヒトで生理的メディウムを用いて気道—肺胞系を洗浄する場合に,ファイバー気管支鏡やメトラのカテーテルの尖端を区域気管支あるいは亜区域気管支に正確に楔入(wedge)し,この液を注入,吸引回収すると,これより末梢の気管支—肺胞領域の諸成分が採取されてくる.この意味で,この洗浄法を気管支—肺胞洗浄法(broncho-alveolar lavage:BAL),その洗浄液を気管支—肺胞洗浄液(broncho-alveolar Iavage fluid,以下BALF)と呼ぶ1).BALFには,厳密には気管支領域の成分と肺胞領域の成分が含まれているが,領域の広さの関係から後者が圧倒的に多い.なお,気道—肺胞系の洗浄法としては,上述の(亜)区域BALの他に,主に気管支領域を洗浄する気管支洗浄法2,3)や,一側肺あるいは一肺葉を洗浄する肺洗浄法,などがある.またbronchial lavage (washing)やpul-monary lavage (washing)をBALと同義語として使う人もある.
 BALは呼吸器疾患の診断と治療のために実施される.Ramirez-R4)が肺胞蛋白症の治療のために一側肺洗浄を実施したのが,いわゆる肺洗浄の臨床応用の最初である.しかし,今日注目されているのは,主にびまん性間質性肺疾患や肺気腫のような肺胞系の疾患の診断法や病態の解析法としてのBALである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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