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基礎科学からの提言・11
生細胞の保存
著者: 根井外喜男1
所属機関: 1北海道大学
ページ範囲:P.571 - P.577
文献購入ページに移動はじめに
われわれの日常生活では,とかく食品の保存ということが問題になるが,本稿で取り上げるのは,食品のようないわば死んだ細胞ではなくて,動植物や微生物などの新鮮な生きた細胞で,しかもその生命力をできるだけ維持しようということである.それも1日や2日の問題ではなくて,多くは年単位という長期間をねらいとする保存なのである.
対象となる生細胞のうちで,微生物のように外界の条件に対する抵抗性の比較的強いものでは,流動パラフィンの重層や懸液のままの保存でも,かなりの長期間生存するし,凍結や乾燥をすれば,もっと長期の保存が可能となる.しかし,動物細胞のように死滅しやすいものでは,今のところ凍結しか方法は無さそうである.とにかく,生細胞には低温の利用ということが,もっとも広く行われる保存方法なのである.
われわれの日常生活では,とかく食品の保存ということが問題になるが,本稿で取り上げるのは,食品のようないわば死んだ細胞ではなくて,動植物や微生物などの新鮮な生きた細胞で,しかもその生命力をできるだけ維持しようということである.それも1日や2日の問題ではなくて,多くは年単位という長期間をねらいとする保存なのである.
対象となる生細胞のうちで,微生物のように外界の条件に対する抵抗性の比較的強いものでは,流動パラフィンの重層や懸液のままの保存でも,かなりの長期間生存するし,凍結や乾燥をすれば,もっと長期の保存が可能となる.しかし,動物細胞のように死滅しやすいものでは,今のところ凍結しか方法は無さそうである.とにかく,生細胞には低温の利用ということが,もっとも広く行われる保存方法なのである.
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