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研究
マイクロプレート光度計による溶血反応の簡易測定法
著者: 奥田智子1 桑嶋りつ1 橘武彦1
所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所免疫学部門
ページ範囲:P.584 - P.586
文献購入ページに移動各種疾患について補体価の変動することが知られ,その臨床的意義が広く研究されている.一般臨床検査の一つとして補体価を測定することはきわめて有意義と考えられるが,現実にはほとんど行われていない.補体成分の蛋白量の測定は若干行われているが,正常人では補体活性とその蛋白量とは相関するが,患者試料について補体蛋白の測定値を補体価に相当するものとして考えるのは危険である.補体系が活性化されて生じた反応産物も,抗体との反応性を有するからである.補体活性の測定が日常的に行われないことの理由の一つに,測定に手間がかかり,多数の試料の処理が困難なことがある.マイクロタイタープレート法ではその点がかなり改善されるが,溶血度を目で判定するため精確な値が得られなかった.最近,酵素抗体法の目覚ましい発展に伴い,マイクロプレート用の光度計が市販されている.その中で二波長測光法のものを用いると,未反応の赤血球を含んだまま溶血率を求めることができ,マイクロタイタープレートを用いて試験管を用いた従来の方法より得られた補体価とよく相関する結果の得られることがわかったので報告する.
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