文献詳細
文献概要
今月の主題 エンザイムイムノアッセイ(EIA) 総説
エンザイムイムノアッセイ(EIA)の現状と展望
著者: 加藤兼房1
所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所生化学部
ページ範囲:P.909 - P.916
文献購入ページに移動はじめに
1959年に初めてYalowとBersonによって報告されたラジオイムノアッセイ(RIA)は,その後改良が重ねられ,現在では医学研究ならびに臨床診断などに広く利用されている高感度で特異性の高い分析法である.一方エンザイムイムノアッセイ(EIA)は,1971年にEngvallら1)によって紹介された方法で,RIAの欠点を補うイムノアッセイ法として注目された.しかし当初は,測定感度ではRIAにはとても及ばない状態であった.それから15年ちかい年月の間にEIAは目ざましい発展をとげ,現状では薬剤などの血中濃度のモニタリング法として独特のEIA系が確立され,実用化されている.また高分子抗原の測定系ではRIAの測定感度をしのぐEIA系も開発されている.さらにEIAだけに可能な原理に基づく測定系の開発研究も日進月歩の状態である.一方ではハイブリドーマ法による単クローン抗体作製法が確立され,EIAを含むイムノアッセイ法への単クローン抗体の応用研究が始まっている2).これら現状の種々のEIA測定系の特徴と問題点,ならびに単クローン抗体のEIAへの応用性などについて述べたい.
1959年に初めてYalowとBersonによって報告されたラジオイムノアッセイ(RIA)は,その後改良が重ねられ,現在では医学研究ならびに臨床診断などに広く利用されている高感度で特異性の高い分析法である.一方エンザイムイムノアッセイ(EIA)は,1971年にEngvallら1)によって紹介された方法で,RIAの欠点を補うイムノアッセイ法として注目された.しかし当初は,測定感度ではRIAにはとても及ばない状態であった.それから15年ちかい年月の間にEIAは目ざましい発展をとげ,現状では薬剤などの血中濃度のモニタリング法として独特のEIA系が確立され,実用化されている.また高分子抗原の測定系ではRIAの測定感度をしのぐEIA系も開発されている.さらにEIAだけに可能な原理に基づく測定系の開発研究も日進月歩の状態である.一方ではハイブリドーマ法による単クローン抗体作製法が確立され,EIAを含むイムノアッセイ法への単クローン抗体の応用研究が始まっている2).これら現状の種々のEIA測定系の特徴と問題点,ならびに単クローン抗体のEIAへの応用性などについて述べたい.
掲載誌情報