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今月の主題 エンザイムイムノアッセイ(EIA) 検査と疾患—その動きと考え方・92
ジギタリス血中濃度と臨床像
著者: 田中一彦1 公文啓二1 山本文雄1 川田博昭1 内藤泰顕2 藤田毅2 片山善章3 扇谷茂樹4
所属機関: 1国立循環器病センターICU 2国立循環器病センター心臓外科 3国立循環器病センター検査科 4国立奈良病院検査科
ページ範囲:P.927 - P.934
文献購入ページに移動ジギタリスは古くから使用されていた薬であり,その歴史は古代エジプト時代にもさかのぼる.ご存じのように,ジギタリスは心筋収縮力増強作用および徐脈作用,利尿作用,細小動脈や静脈に対する作用などさまざまな作用を有し,各種心疾患の治療に用いられている1).しかし,治療領域と毒性発現領域が近接し,病態により投与量に対する効果の個体差が著しく,最適なジギタリス療法を行うためには,ジギタリス血中濃度の測定は必須である.
ジギタリスのうち,ジゴキシン(Dx)は即効性があり,心筋と血中濃度との相関性,血中濃度と治療効果および毒性発現作用との相関性が報告されている2).われわれは,Dxを使用する機会が多く,本稿においてはDxの測定方法,成人および小児のDx投与例における血中濃度と臨床像また開心術後症例におけるDx血中濃度と臨床像について紹介したい.
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