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研究
HDL-コレステロール測定における市販管理血清の問題点
著者: 松永義朗1 鈴木美奈子1 石塚一宏1 田中一吉1 堀井みつ代1 橋本恭子1 野坂謙二1
所属機関: 1関東中央病院臨床検査科
ページ範囲:P.971 - P.974
文献購入ページに移動最近臨床検査の分野では,数多くの市販管理血清があり,さまざまな目的で使用されている.私たちの検査室でも数種類の市販管理血清を目的に応じて使用しているが,HDL-コレステロールの精度管理用として使用しているとき,沈殿試薬添加後の放置時間,ならびに放置温度により測定値が大きく変動する経験をした.HDL-コレステロールの精度管理調査時に市販管理血清がひどいバラツキを示すことは日本医師会調査1)をはじめ市販の凍結乾燥血清の問題点についていくつかの報告2〜5)があり,市販管理血清の種類による適合性6)品質管理された材料の評価7)冷凍液状管理血清の保存条件による安定性8)などの管理血清にまつわるさまざまの問題点が指摘されているが,そのバラツキが反応時間と温度に依存しているという報告はない.
私たちは正確度評価の規準として日本臨床病理学会(HDL-コレステロール測定法検討小委員会,委員長野間昭夫)が標準法に定めたヘパリン-Mn法9)(以下JSCP標準法と略す)を用い,自製のプール血清を含む管理用血清7種につき,7銘柄の測定キットによって測定条件の差によってそれぞれどのような変動を生ずるかを調べた.
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