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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻1号

1985年01月発行

文献概要

今月の主題 アルコール 技術解説

血中および呼気中アルコール濃度測定

著者: 溝井泰彦1 福永龍繁1

所属機関: 1神戸大学医学部法医学教室

ページ範囲:P.19 - P.26

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 血中アルコール濃度の測定は1922年Widmarkが拡散法を発表して以来,順次,蒸溜法,酵素法,ガスクロマトグラフ(GC)法などが報告されてきた.そのうち,もっとも特異性が高く正確に血中アルコール濃度を知ることのできる方法はGC法であり,密閉したバイアルに試料と内部標準とを入れ,加温後,平衡状態に達した気相の一部をGCに注入するhead space法が現在よく用いられている.
 呼気中アルコール濃度測定は,試料採取が簡単であり,医師でなくともできることから警察関係では世界各地で広く実施されており,独特な測定装置や簡単な検知管を用いる方法により測定されている.しかし,特異性,正確さの点からみるとGC法がもっとも優れている.研究の目的で正確な呼気中アルコール濃度を測定するには,終末呼気が確実に採集できる呼気バッグを用い,その一部をGCに注入する方法を用いるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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