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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻1号

1985年01月発行

文献概要

資料

EIA法による抗ATLA抗体測定用キットE−0733の検討

著者: 田口博國1 北川隆夫1 藤下雅敏1 新谷憲治1 三好勇夫1

所属機関: 1高知医科大学・第3内科

ページ範囲:P.91 - P.94

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 成人T細胞白血病(ATL)はいまだ確立した治療法が無く1),3〜6か月の経過で死亡するきわめて予後不良の疾病である.また,この疾患患者材料を用いて樹立された細胞株MT−2からは,多量のC型レトロウイルス(HTLV)が産生されていることが判明している2)が,いまだワクチンの開発には至っておらず,現在の時点で可能なことは,ただ,このウイルスの伝播を少しでも防ぐことしかない.HTLVの伝播経路として推定されているのは親から子,夫婦間3)および輸血4,5)の三つである.このうち親子,夫婦間の伝播の予防にはワクチンの開発を待つしかないが,輸血については,供血者のATL関連抗原(ATLA)に対する抗体のスクリーニングを行って,抗体陽性の血液の使用を制限すれば,確実にウイルスの伝播を防ぐことが可能である.われわれはこの目的のために,抗ATLA抗体の酵素免疫測定法(enzyme immuno assay;EIA)を開発した6)が,今回エーザイ株式会社によりそのキット化が達成されたので,多数の血清について従来の蛍光抗体法7)(IF)と比較し,検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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