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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻11号

1985年11月発行

文献概要

特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 4 リポ蛋白

9.異常リポ蛋白—1)Lp-X

著者: 清島満1 山田昌夫2 安藤喬2

所属機関: 1岐阜大学医学部臨床検査医学 2岐阜大学医学部第一内科

ページ範囲:P.1383 - P.1386

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はじめに
 胆汁うっ滞症における患者血漿中にはSeidelら1)によって命名されたリポ蛋白(lipoprotein-X:Lp-X)という異常リポ蛋白が出現しており,その測定値は現在,臨床上,胆汁うっ滞の指標として重要視されている.Lp-Xは寒天電気泳動法において,陰極側に泳動されるという特徴をもち(図1),またその組成もリン脂質66%,遊離コレステロール23%,エステル型コレステロール2%,中性脂肪3%,蛋白6%と他のリポ蛋白の組成とはかなり異なっている.一方,電顕による観察では連銭形成(rouleaux formation)が認められ,Lp-Xの形態的特徴とされている(図2).
 しかし,胆汁うっ滞症のほかに,レシチン:コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(lecithin:cholesterol acyltransferase;LCAT)欠損症や,イントラリピッドの大量静脈内投与によってもLp-X類似のリポ蛋白が出現することが知られている.そのためLp-Xの生成機序として,胆汁の血中への逆流のほかにいくつかの要因が考えられている.しかし本稿ではその出現機序については詳しくは触れず,以下,臨床検査室において日常検査の一つとして行いうる代表的な測定法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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