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特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 5 アポ蛋白
5アポ蛋白—1.ゲル内沈降反応—1)SRID法
著者: 櫻林郁之介1 野又康博2
所属機関: 1自治医科大学臨床病理学講座 2栄研化学(株)野木工場
ページ範囲:P.1391 - P.1396
文献購入ページに移動リン脂質,遊離コレステロール,エステル型コレステロール,トリグリセライドなどの血清脂質は特殊な蛋白質と複合体を形成し,球状複合体として血清中に溶存している.この球状の脂質—蛋白複合体は血清リポ蛋白と呼ばれ,このリポ蛋白を形成する特殊な蛋白をアポリポ蛋白,あるいはアポ蛋白と呼んでいる.
アポ蛋白はリポ蛋白を構成する重要な骨組みであり,アポ蛋白がなくてはリポ蛋白を構築し,脂質を血清中に溶存させ,脂質を代謝することはできない.アポ蛋白のもう一つの重要な機能として,リポ蛋白リパーゼ(LPL)やレシチン(LCAT;コレステロールアシル転移酵素)などの脂質代謝関連酵素の活性の修飾作用があり,脂質代謝の調節という役割を担っている.さらに細胞の表面膜上に存在するリポ蛋白に対するレセプター(受容体)に強い親和性をもち,細胞内へのリポ蛋白の取り込みの標的としての役割も担っている.
最近アポ蛋白の免疫化学的測定法が確立され,その定量キットも市販されて容易に血清アポ蛋白を測定できるようになり,ますます臨床的知見も増えつつある.
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