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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻11号

1985年11月発行

文献概要

特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 5 アポ蛋白

5アポ蛋白—5.密度勾配電気泳動法

著者: 多田紀夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学青戸分院内科

ページ範囲:P.1416 - P.1421

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はじめに
 動脈硬化をいかに予防し,改善するか,という一連の課題解決の一指標として血漿脂質が取り上げられ,近年,この分野の研究が飛躍的に進歩している.わが国においても,12年ほど前までは血漿コレステロール,トリグリセライド値と病態との関連性が議論されていたが,HDL—コレステロールなどのリポ蛋白脂質,さらに近年では血漿アポ蛋白値,また,各リポ蛋白のアポ蛋白(apolipoprotein)組成などが測定,計測されるようになり1,2),これらからリポ蛋白を総括的に検討し,病態との関連性が意義づけられるようになった.特に,超低比重リポ蛋白(VLDL),中間型リポ蛋白(IDL),低比重リポ蛋白(LDL),高比重リポ蛋白(HDL)などの各リポ蛋白の量的増減のみでなく,β—VLDL3)やLp (a)リポ蛋白4)といったアポ蛋白組成や脂質組成の,通常のリポ蛋白と異なるリポ蛋白5)の血中での出現が,動脈硬化の発生と深いかかわりがあることが明確となった.
 そこで本稿では,アポ蛋白の分離,検出,同定に利用される密度勾配電気泳動法について,その意義,利用法を述べ,筆者の行っている方法を呈示し,読者諸氏のご批判を仰ぎたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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