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特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 6 酵素
2.肝性TGリパーゼ(H-TGL)
著者: 村勢敏郎1
所属機関: 1東京大学医学部第三内科
ページ範囲:P.1435 - P.1436
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肝性トリグリセライドリパーゼ(hepatic triglyceride lipase;H-TGL)は肝細胞で生合成された後,肝内皮細胞膜表面へと輸送され,そこで流血中のリポ蛋白に作用するTG(トリグリセライド)の加水分解酵素である.この酵素はすでに述べたLPLのアイソエンザイムであって,分子量はLPLとほぼ同じ6.7×104程度であり,ヘパリンの静注によって血中に遊離してくる点もLPLと類似している.しかし,LPLがカイロミクロンやVLDLの異化に携わっていることが明らかにされているのに対し,H-TGLはこれらのリポ蛋白にはほとんど作用しない.
この酵素の生理機能に関しては,現在,HDL代謝に関与しているという説と,レムナントリポ蛋白の肝における処理に関与している,という二説があって対立している.
肝性トリグリセライドリパーゼ(hepatic triglyceride lipase;H-TGL)は肝細胞で生合成された後,肝内皮細胞膜表面へと輸送され,そこで流血中のリポ蛋白に作用するTG(トリグリセライド)の加水分解酵素である.この酵素はすでに述べたLPLのアイソエンザイムであって,分子量はLPLとほぼ同じ6.7×104程度であり,ヘパリンの静注によって血中に遊離してくる点もLPLと類似している.しかし,LPLがカイロミクロンやVLDLの異化に携わっていることが明らかにされているのに対し,H-TGLはこれらのリポ蛋白にはほとんど作用しない.
この酵素の生理機能に関しては,現在,HDL代謝に関与しているという説と,レムナントリポ蛋白の肝における処理に関与している,という二説があって対立している.
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