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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻11号

1985年11月発行

文献概要

特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 6 酵素

2.肝性TGリパーゼ(H-TGL)

著者: 村勢敏郎1

所属機関: 1東京大学医学部第三内科

ページ範囲:P.1435 - P.1436

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はじめに
 肝性トリグリセライドリパーゼ(hepatic triglyceride lipase;H-TGL)は肝細胞で生合成された後,肝内皮細胞膜表面へと輸送され,そこで流血中のリポ蛋白に作用するTG(トリグリセライド)の加水分解酵素である.この酵素はすでに述べたLPLのアイソエンザイムであって,分子量はLPLとほぼ同じ6.7×104程度であり,ヘパリンの静注によって血中に遊離してくる点もLPLと類似している.しかし,LPLがカイロミクロンやVLDLの異化に携わっていることが明らかにされているのに対し,H-TGLはこれらのリポ蛋白にはほとんど作用しない.
 この酵素の生理機能に関しては,現在,HDL代謝に関与しているという説と,レムナントリポ蛋白の肝における処理に関与している,という二説があって対立している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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