icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻11号

1985年11月発行

文献概要

特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 6 酵素

4.ホスフォリパーゼA1,A2

著者: 石川洋1 白井厚治1 斎藤康1

所属機関: 1千葉大学医学部第二内科

ページ範囲:P.1443 - P.1446

文献購入ページに移動
はじめに
 リン脂質は生体の構成成分であるばかりでなく,細胞膜機能の調節因子としても重要である.このリン脂質を分解する酵素がホスフォリパーゼA (以下,PLAと略す)である.PLAは生体内のほとんどあらゆる組織に存在し,細胞膜の性状や機能の維持,調節に関与していると考えられている.
 血中リポ蛋白においても,リン脂質はアポ蛋白とともにその表面に存在し,中性脂肪やコレステロールエステルなどを包むカプセルとしての役割を果たしているだけでなく,さらに,これらのリポ蛋白脂質の代謝を規定する因子としても重要であり,このリポ蛋白のリン脂質を分解するPLAが,リポ蛋白代謝上果たす意義は大きいと考えられる.しかし,PLA活性測定の脂質代謝検査上の意義と有用性については,まだ確立されていない点が多く,したがって臨床検査として応用されるまでには至っていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?