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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻11号

1985年11月発行

文献概要

特集 リポ蛋白・脂質代謝と臨床検査 10 先天性脂質代謝異常

3.遺伝性脂質蓄積症

著者: 鈴木義之1

所属機関: 1東京大学医学部小児科

ページ範囲:P.1524 - P.1530

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はじめに
 遺伝性の代謝障害により,脂質が細胞内に大量に蓄積する疾患のグループがある.大部分は,脂質の分解酵素の活性欠損によるものである.
 酵素の活性は,遺伝情報により規定される.遺伝子の突然変異により,酵素蛋白の構造が変わったり,酵素蛋白が合成されなくなったりすると,酵素活1生は著しく低下し,あるいはまったく失われてしまう.その結果,この酵素によって進められる生体内の化学反応は停滞し,基質が蓄積することになる.このような機序によって起こる病気は先天性代謝異常と呼ばれ,現在までに数百種が知られている.脂質蓄積症(リピドーシス)もその一つであり,病気の遺伝子は親から子に伝えられる1,2).そして特定の条件のもとで,実際に病気として表現される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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