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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻11号

1985年11月発行

文献概要

話題

多価不飽和脂肪酸と乳癌

著者: 中村治雄1

所属機関: 1防衛医大・内科

ページ範囲:P.1585 - P.1585

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 多価不飽和脂肪酸(PUFA)は,生体にとってきわめて重要な意味をもった脂肪である.
 PUFAの基本として考えられるリノール酸などは,生体が十分に合成できないことと相まって,古くからさまざまな病態との関連で指摘されてきた.例えば,血清コレステロールや動脈硬化との関係である.現在も,リノール酸が一般的にどのような機序で血清コレステロールを低下させるのか,不明の点も少なくない.しかも疫学的にみて,植物油などを多く摂取させて冠動脈疾患の発生などを調査した成績では,ロスアンゼルス退役軍人,ヘルシンキ精神病院などの成績で,確かに,冠疾患発生率は減らせても,一部の疾患が増える傾向のあることも指摘されている.特にロスアンゼルスでは,植物油を多く摂取したグループから癌が増えたといわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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