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文献詳細

雑誌文献

臨床検査29巻12号

1985年11月発行

文献概要

今月の主題 細菌同定の迅速化へのアプローチ 総説

臨床細菌検査の簡易,迅速化の現状と問題点

著者: 中村正夫1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学臨床検査医学教室

ページ範囲:P.1643 - P.1651

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まえがき
 臨床細菌検査を大きく,狭義の細菌検査とウイルス検査とに分けて考えることができる.一般細菌検査も他の臨床検査分野に比し迅速化しにくいものであり,日常検査では通常2〜3日を要する.臨床検査の目的あるいは他の臨床検査との関連を考えると,微生物検査においても迅速診断の必要性は大きい.
 一方ウイルス性疾患については,病原体検出あるいは血清学的検査いずれにしても検査に長時日を要することが臨床検査の立場では問題点の一つになっており,迅速診断はウイルス検査の場合にもその意義を高めることになる.リケッチアあるいはクラミジアも分類上,細菌に属する病原体であるが,検査での取り扱いではウイルスに近いと考えられ,ウイルスの場合と同様の問題点がある.
 将来の臨床検査としては,どの分野の検査についても速やかに,しかもすべての成績がそろって臨床へ報告されることが望ましい.生化学,IiL液などの成績が短時間の間に報告されたとしても,微生物関係の成績は2〜3)後というのでは,総合的に判断しようとする臨床の立場にはふつこうである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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