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今月の主題 カルシウム 総説
血清カルシウムのホルモン調節
著者: 藤田拓男1
所属機関: 1神戸大学医学部第3内科
ページ範囲:P.523 - P.530
文献購入ページに移動はじめに
血清カルシウムは,数多い血清生化学検査項目の中でも,もっとも重要なものの一つである.その理由として,第一に,カルシウムが細胞の機能,神経・筋・循環系の働きにきわめて重要かつ不可欠な役割を演ずること,第二に,このような目的を達成するために,カルシウム調節ホルモンおよびその他のいくつかのホルモンの作用によって,血清カルシウムの値はきわめて精密に一定のレベルで保たれていることが挙げられ,あらゆる生物学的恒数の中で血清カルシウムほど厳しい調節を受けているものは無いと言われる.このことは,血清カルシウムの正常値の範囲がきわめて狭く,また異常値が出現することは少ないとも言えるが,一方,もし異常値が出たときにはその意味は確かであることを表している.
血清カルシウムの異常はこのような調節機序の異常であり,ことにこの機序に深くかかわっている副甲状腺ホルモン,活性型ビタミンDの作用の異常を示すと言える.したがって,血清カルシウム値の変化を正しく解釈するには,生体のカルシウム代謝およびその調節を十分に理解しなければならないであろう.
血清カルシウムは,数多い血清生化学検査項目の中でも,もっとも重要なものの一つである.その理由として,第一に,カルシウムが細胞の機能,神経・筋・循環系の働きにきわめて重要かつ不可欠な役割を演ずること,第二に,このような目的を達成するために,カルシウム調節ホルモンおよびその他のいくつかのホルモンの作用によって,血清カルシウムの値はきわめて精密に一定のレベルで保たれていることが挙げられ,あらゆる生物学的恒数の中で血清カルシウムほど厳しい調節を受けているものは無いと言われる.このことは,血清カルシウムの正常値の範囲がきわめて狭く,また異常値が出現することは少ないとも言えるが,一方,もし異常値が出たときにはその意味は確かであることを表している.
血清カルシウムの異常はこのような調節機序の異常であり,ことにこの機序に深くかかわっている副甲状腺ホルモン,活性型ビタミンDの作用の異常を示すと言える.したがって,血清カルシウム値の変化を正しく解釈するには,生体のカルシウム代謝およびその調節を十分に理解しなければならないであろう.
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