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シリーズ・癌細胞診・5
卵巣癌—子宮腔内吸引法
著者: 蔵本博行1 加藤良樹1 増田恵一1 大野英治2 今井忠朗2
所属機関: 1北里大学医学部産婦人科 2北里大学病院病理部細胞診
ページ範囲:P.567 - P.570
文献購入ページに移動1979年1月から1983年1月までの間に北里大学病院産婦人科で治療した原発性卵巣癌57例中47例(82.5%)に子宮腔内吸引細胞診を施行したが,そのうち13例(27.7%)を本法で卵巣癌と診断しえた(加藤良樹,他:日臨細胞誌,22,696〜702,1983).手術時も含めた腹水細胞診で結果的に陽性であった症例のうちでは,41.2%が診断されたことになる.すなわち,子宮内に病巣が無くても,腹水中に癌細胞が遊離している場合には,子宮腔内に流れ着いて診断されるものと判断される.したがって,細胞採取に当たっては吸引法で行うことが肝腎である.なお,卵巣癌のうち吸引細胞診で捕えられやすい癌種は,漿液性,低分化,ムチン性,類内膜の各腺癌の順であった.
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