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研究
ラジオイムノアッセイ法による胆汁中AFP定量法に関する問題点と肝・胆道疾患における胆汁内AFP値
著者: 内藤達夫1 吉岡一由2 佐藤博道3
所属機関: 1川崎医科大学付属川崎病院中央検査部 2川崎医科大学付属川崎病院外科 3川崎医科大学付属川崎病院病理
ページ範囲:P.581 - P.583
文献購入ページに移動癌胎児性蛋白質の一つであるα—フェトプロテイン(α—fetoprotein:AFP)は,1964年Tatarinov1)らにより原発性肝細胞癌患者血清中に多量に含まれることが報告されて以来,肝疾患,特に原発性肝癌の診断に有用な方法とされている.しかし,血中AFPは肝炎,肝硬炎,睾丸腫瘍,胃癌などでも高値を示し,家族性チロジン血症,先天性胆道閉塞症などの先天性疾患でも増加することが明らかにされ,原発性肝細胞癌に対する特異性は薄らいだとも言える.一方,血液以外の体液,すなわち胆汁,膵液中にもAFPが高濃度に証明されるとの報告2)もある.
今回著者らはラジオイムノアッセイ(RIA)法による胆汁中AFPの測定方法について検討し,各種疾病の胆汁中AFP値も併せて測定したので,以下に報告する.
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