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今月の主題 黄疸 技術解説
肝生検の組織化学
著者: 市田文弘1 上村朝輝1 野本実1 渡辺俊明1 高橋達1
所属機関: 1新潟大学医学部第3内科学教室
ページ範囲:P.617 - P.623
文献購入ページに移動一方肝疾患の確定診断には肝生検による組織所見が最終的な決め手となることが多いことはいうまでもない.通常わが国において頻度の高い肝疾患としては,肝炎ウイルスの感染に起因する急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,肝癌,さらにアルコール多飲による肝疾患,薬物過敏反応による肝障害,脂質代謝障害による脂肪肝などがある.これらを含めた各種肝疾患の肝生検による組織診断のためには,一般にヘマトキシリン—エオジン(HE)染色,鍍銀染色,PAS染色,ジアスターゼ消化後PAS染色などが用いられるが,Azan染色,van Gieson染色,オルセイン染色,鉄染色その他の特殊染色も有用なことが少なくない.ここでは肝生検組織診断上において組織化学が有用ないくつかの間題をとりあげ,関連事項を概説する.
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