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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻1号

1986年01月発行

文献概要

資料

乳癌マーカー,CA 15-3の基礎的・臨床的検討

著者: 桑原正喜1 有吉寛1 須知泰山1 太田和雄2 福島雅典2

所属機関: 1愛知県がんセンター臨床検査部 2愛知県がんセンター第2内科

ページ範囲:P.81 - P.85

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はじめに
 乳癌の特異抗原を認識する目的で,多くのモノクローナル抗体が作られている1〜5)が,それらには免疫原として乳癌培養細胞を用いるもの,milkfat globulemembraneを用いるもの,転移乳癌細胞の膜成分を用いるものなどがある6).1981年Hilkensらは,humanmilkfat globule membraneを免疫原として115 D 8と命名されたモノクローナル抗体を作製した7).これらは多くの癌細胞と反応し,乳癌においてはあらゆる組織型の細胞と反応する抗体で,その反応する抗原物質は分子量400kdalton以上の糖蛋白質である8).また,1984年Kufeらは,乳癌肝転移細胞の膜成分を免疫原としてモノクローナル抗体:DF 3を作製した.この抗体は各種の組織型の乳癌細胞および乳腺良性疾患の大部分と反応するが,癌細胞に特に強く反応する.この抗原は290kdaltonの糖蛋白質と同定されている6)
 最近,この二つの抗体の特徴を利用した固相法に基づく測定系が開発された.この系の二つの抗体により検出される抗原物質(carbohydrate antigen 15-3,以下CA 15-3)は,進行乳癌患者血中にも増加することが認められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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