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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻10号

1986年10月発行

文献概要

シリーズ・生体蛋白質の検査法・10

免疫学的微量定量

著者: 石川榮治1

所属機関: 1宮崎医科大学第1生化学教室

ページ範囲:P.1113 - P.1117

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はじめに
 蛋白質は,特殊な例外を除いて,すべて抗原となりうることがよく知られている.つまり,すべての蛋白質に対して抗体を用意することができる.したがって抗原抗体反応を利用して,いわゆる免疫測定法を行うことが可能である.現在までに開発された免疫測定法は数多いが,これらを二つに大別することができる.つまり,標識免疫測定法と非標識免疫測定法である.標識免疫測定法は文字どおり何らかの標識の助けをかりて抗原抗体反応を定量的に観測するものである.非標識免疫測定法は標識を特に使わないで抗原と抗体が反応することにより生成する抗原抗体結合物が巨大分子集合体になり,沈降したり,光を散乱したりする現象を利用する方法である.また,標識免疫測定法を二つに大別することができる.均一標識免疫測定法と不均一標識免疫測定法である.均一標識免疫測定法は,標識抗原や標識抗体の結合型(bound form:B)と遊離型(free form:F)とを分離(B/F分離と言う)することなく抗原抗体反応を定量的に観測する方法である.不均一標識免疫測定法はB/F分離をしたうえで抗原抗体反応を定量化する方法である.一般に,非標識免疫測定法より標識免疫測定法がより高感度であり,均一標識免疫測定法より不均一標識免疫測定法の方が高感度である.つまり,不均一標識免疫測定法がもっとも高感度となる(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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