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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻10号

1986年10月発行

文献概要

シリーズ・微量元素の検出法・4

体液中亜鉛の定量

著者: 玄番昭夫1

所属機関: 1中央鉄道病院中央検査室

ページ範囲:P.1124 - P.1128

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亜鉛定量法の種類
 表1のように特別な機器を必要としない比色法から,高価な機器を用いて亜鉛(Zn)のみならず多元素を一斉分析する方法まで多種多様存在する.しかし臨床検査では比色法か,あるいはせいぜい原子吸光分光光度計(AAS)法のいずれかと考えられるので,ここではこの二法に限って述べることにする.なおこの表でオキシンー5—スルホン酸とZnの結合によって生ずる蛍光をゼフィラミンで増強して測定する蛍光法は,血清0.1ml中のZnを十分に測定できる感度を有しているが1),共存物質の影響を受けやすいために特異性がなく,現在まで体液中Zn定量に成功した例を聞かない.また表1にanodic stripping voltammetry (ASV)法というのがあるが,これはフレームレスAAS法と並んでZnを数ppbオーダで定量できる機器分析法の一種であるが2),しかしこの方法は体液中Znの定量には向かない.ちなみにZnに限ってその検出感度を比較するとフレームレスAAS法>ASV法>質量分析法>フレームAAS法>ICP法>放射化分析法という順になる3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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