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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻12号

1986年11月発行

文献概要

今月の主題 造血器 技術解説

好中球カイネティクス

著者: 大北威

所属機関:

ページ範囲:P.1492 - P.1499

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 好中球カイネティクスとは,好中球の産生量や産生率,産生から死滅までの時間的経過,あるいは体内における分布,などを扱う研究分野である.好中球のみでなく,健康な人の血球数は,多少の個人差はあるものの,つねに正常値の範囲に保たれている(恒常性の保持).諸家の報告を平均すれば,われわれの体内では,1時間当たり5×107/kgに及ぶ成熟好中球が消費されているが,このような大量の細胞の収支バランスが自然に保たれていることは驚きである.血液好中球数の増減には,主として三つの要因が関与する.すなわち,骨髄から血液への好中球流入率の変化,血液から組織への流出率の変化,および血管系内の壁在性プール(MNP,本文参照)の占める割合の変化である.しかし,血液好中球数に関する生理的な恒常性が,どのような機構でチェックされ,あるいはフィードバックされて調整されているのか,その詳細は明らかではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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