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文献概要
シリーズ・微量元素の検出法・5
毛髪中の微量元素分析
著者: 内田弘1
所属機関: 1神奈川県工業試験所,日本大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.1563 - P.1566
文献購入ページに移動1.はじめに
毛髪中の微量元素分析は,古くは環境汚染の指標作りに,近年では各種疾病のスクリーニングテストとして注目されている.従来より単元素分析法としては,吸光光度法,原子吸光法1)があり,特に後者は取り扱い方法も簡単で装置も比較的安価なため,毛髪に限らず広く臨床分析の分野で採用されている.試料分解は分析元素の特性に適した方法を選択すれば良いが,共存元素の干渉が比較的大きいことを配慮しなければならない.
毛髪分析の評価を総合的に進めるためには多元素を分析することが望ましく,蛍光X線法2),放射化分析3)などが適用されている.しかし,最近では誘導結合プラズマ(ICP)を励起源とする発光分析法が,検出感度,定量精度,迅速性,汎用性の点で注目され,急速に普及しつつある4).本稿では,ICP発光分析法の基礎,試料調製法,定量における問題点,分析例などを平易に解説する.
毛髪中の微量元素分析は,古くは環境汚染の指標作りに,近年では各種疾病のスクリーニングテストとして注目されている.従来より単元素分析法としては,吸光光度法,原子吸光法1)があり,特に後者は取り扱い方法も簡単で装置も比較的安価なため,毛髪に限らず広く臨床分析の分野で採用されている.試料分解は分析元素の特性に適した方法を選択すれば良いが,共存元素の干渉が比較的大きいことを配慮しなければならない.
毛髪分析の評価を総合的に進めるためには多元素を分析することが望ましく,蛍光X線法2),放射化分析3)などが適用されている.しかし,最近では誘導結合プラズマ(ICP)を励起源とする発光分析法が,検出感度,定量精度,迅速性,汎用性の点で注目され,急速に普及しつつある4).本稿では,ICP発光分析法の基礎,試料調製法,定量における問題点,分析例などを平易に解説する.
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