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研究
グリコヘモグロビン測定における不安定グリコヘモグロビン簡易除去法の検討
著者: 小田幸生1 中塚親司1
所属機関: 1PL病院中央臨床検査部
ページ範囲:P.1569 - P.1572
文献購入ページに移動はじめに
グリコヘモグロビン(以下,グリコHb)値は過去1〜2か月前の血糖値を反映しているため,糖尿病患者の長期血糖コントロールの指標として有用である1).しかし,血糖値の急激な変動や糖負荷試験の実施などに伴い,グリコHb値に変動がみられる2)との報告があり,その変動はグリコHb生成途上の不安定グリコHbによるものと言われている.グリコHb値のデータをみるうえで,この不安定グリコHbは本来除去されるべきであり,その除去法として従来より血球を生理食塩水に浮置する前処理法3)が用いられていたが,長時間を要していた.
また,不安定グリコHbは酸性側で容易に解離する性質を持ち4),今回,われわれはその性質を利用した不安定グリコHb除去用溶血液を作製し,電気泳動法により簡易に不安定グリコHbの除去が可能となったので報告する.
グリコヘモグロビン(以下,グリコHb)値は過去1〜2か月前の血糖値を反映しているため,糖尿病患者の長期血糖コントロールの指標として有用である1).しかし,血糖値の急激な変動や糖負荷試験の実施などに伴い,グリコHb値に変動がみられる2)との報告があり,その変動はグリコHb生成途上の不安定グリコHbによるものと言われている.グリコHb値のデータをみるうえで,この不安定グリコHbは本来除去されるべきであり,その除去法として従来より血球を生理食塩水に浮置する前処理法3)が用いられていたが,長時間を要していた.
また,不安定グリコHbは酸性側で容易に解離する性質を持ち4),今回,われわれはその性質を利用した不安定グリコHb除去用溶血液を作製し,電気泳動法により簡易に不安定グリコHbの除去が可能となったので報告する.
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