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ヒトアルカリホスファターゼアイソザイムの鑑別法
著者: 菰田二一1 三浦雅一12 小山岩雄1 海上智13
所属機関: 1埼玉医科大学生化学教室 2埼玉医科大学教室,東京警察病院中央検査科第一部 3埼玉医科大学教室,実験動物中央研究所血液化学
ページ範囲:P.1575 - P.1579
文献購入ページに移動本来生体膜に主として局在するアルカリホスファターゼ(ALPと略記,EC3.1.3.1)は,血中にも出現し1,2),血清アルカリホスファターゼ活性値として肝臓,胆道,骨,腎臓,甲状腺,白血病,自己免疫,悪性腫瘍などの疾患時に適用されるほか,乳幼児の発育,妊娠の経過のマーカーとして臨床上,重視されている3〜10).
そもそも,ALPとは,リン酸モノエステルを基質とする水解酵素群のうちで,アルカリ性側に至適pHを持つものを言い,植物,動物および細菌のいずれにも検出される3).哺乳動物組織中にその存在を初めて証明したのは,GrosserとHussler (1912年)で,その後,1923年,ブドウ糖6リン酸の発見者,Robisonが成長しつつある骨組織に本酵素を見いだし,この応用として血清ALP活性の上昇を骨疾患の診断に利用したのは,Robisonの協同研究者Kayで,1929年のことである.翌年,肝臓疾患にもALP活性が使用できることをRobertsは報告した3).
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