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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻2号

1986年02月発行

文献概要

今月の主題 免疫不全 カラーグラフ

免疫不全症の病理

著者: 玉置憲一1 里悌子1

所属機関: 1東海大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.106 - P.108

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 免疫不全症は,原発性および続発性の二種に大別されるが,前者は,遺伝的要因が強く,その障害部位が免疫幹細胞レベルであるもの,あるいはT細胞,B細胞,食細胞などであるものに細分される(図1).一方,続発性では,白血病などの血液疾患や,抗癌剤・放射線療法の副作用として出現してくるもののほか,AIDSのような感染に起因するものも注目される.後者の場合には,すべての系統の免疫機能が荒廃することが多い.しかし,どの型の免疫不全症にあっても免れえないのは感染症であり,図4〜7に掲げるように,サイトメガロウイルス,Pneumocystis caninii,真菌などの病原体による重篤な感染症が死因となることが多い.宿主の免疫機能低下のため,通常の細菌に対しても乏反応性あるいは無反応性炎症像を呈することが特徴的である.またWiskott-Aldrich症候群をはじめとする一部の免疫不全症では,リンパ網内系の悪性腫瘍の合併が高頻度であり,これも重要な死因となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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