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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻2号

1986年02月発行

文献概要

今月の主題 免疫不全 技術解説

インターリュウキンの検査

著者: 向田直史1 笠原忠2

所属機関: 1自治医科大学臨床病理学教室 2自治医科大学医動物学教室

ページ範囲:P.109 - P.117

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 リンパ球やマクロファージは抗原やマイトーゲンなどの刺激を受けると,種々の可溶性因子を放出する.これらの因子の多くはペプタイドであり,組織適合抗原の拘束を受けずにごく微量の濃度(10−10〜10−15mol/l)で,種々の免疫反応や炎症反応における細胞相互間の伝達物質として働くことが知られている.リンパ球やマクロファージから放出される因子を,それぞれリンフォカインやモノカインと呼び,それらを総称してサイトカインと呼んでいる.
 1979年これらのサイトカインのうち,物理化学的に性状の明かになりつつあったものをインターリュウキン(interleukin;IL)と呼ぶことが提唱された1).このときILとしては,生物学的活性と物理化学的性状の違いより,IL1,IL2,IL3の三種類の存在が提唱された.しかしこれらの因子は,細胞培養液中に微量の濃度で存在しているうえに,他のリンフォカインと混在していることが多いため,従来の方法では精製が困難であった.このため構造が不明であるのみならず,その生物活性がそのもの自身によるものか,それとも混在している物質によるものかについては,明らかにすることが困難であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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