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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻2号

1986年02月発行

文献概要

今月の主題 免疫不全 総説

AIDS

著者: 塩川優一1

所属機関: 1順天堂大学

ページ範囲:P.131 - P.137

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はじめに
 人類の歴史で,しばしば感染症が世界を風靡し,そのために人類は絶滅に頻したことがある.そのうちで,特に14世紀のヨーロッパにおけるペストの大流行では人口の1/4(2500万人)が死亡し,1918〜1919年のインフルエンザの大流行で世界で2000万人の人々が死亡している.その後このような微生物による脅威はしばらく絶えていたが,最近,AIDSが現れた.AIDSの原因はウイルスである.この疾患は1981年に始めて報告されてより世界中に広がり,患者数は増加の一途をたどり,しかも治療法はない(表1).AIDSは「現代のペスト」とよばれ,これにより人類は滅亡するのではないか,という悲観的な意見さえ現れるに至った.一方,日本では長らくこれを対岸の火事視し,週刊誌などで興味本位に取り扱っていたのであるが,1985年3月22日第1例が認定されて以来,10月31日現在11例に達した.さらに今後急速な増加が推定される.本症についての知識は今後医療関係者にとって必須と考えられるので,以下解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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