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研究
実験動物膵による膵島細胞質抗体(ICA)検出の検討
著者: 杉浦正彦1 始澤美幸1 丸山昭治1 中沢道夫2 笠原督3 高橋明4 三宅清兵衛4
所属機関: 1(株)相互生物医学研究所 2郡元クリニック 3東京女子医科大学糖尿病センター 4長崎大学医学部第1内科
ページ範囲:P.185 - P.188
文献購入ページに移動インスリン依存性糖尿病(insulin-dependent diabetes mellitus:IDDM)の発症要因には,ウイルス感染および自己免疫の関与が注目されている.そして,その血清学的マーカーとして血中に見いだされる膵島細胞質抗体(islet cell antibodies;ICA)1)と膵島細胞膜抗体(islet cell surface autibodies:ICSA)2),下垂体抗体(pituitary cell antibodies:PCA)3)などが知られている.ICA検査の抗原には,その種特異性が高いため,従来ヒトO型膵切片を抗原に用いた間接蛍光抗体法により検査されてきた4).しかし,臨床検査としてはヒト膵は入手困難である.近年サルやブタ膵によるICA検出の可能性が指摘されているが,その詳細は不明の点が多い.
このたび,われわれはヒト,サル,ブタ,家兎およびマウス膵切片を用いたICAの検索法について比較検討し,サル膵がICA検査の抗原として優れていることを見いだしたので報告する.ICA検査の抗原にサル膵を用いることができることは,臨床検査として大量の検体の検査を可能とするという利点を持っている.
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