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エンザイムイムノアッセイ法による淋菌感染症の診断
著者: 吉沢花子1 前川朱美1 橋爪壮1 大谷かおる2 柑上真乃3
所属機関: 1千葉大学看護学部病態学講座 2旭中央病院検査科 3旭中央病院泌尿器科
ページ範囲:P.191 - P.193
文献購入ページに移動淋菌感染症の診断は,現在一般臨床では,感染局所の分泌物塗抹標本をGram染色し,顕微鏡検査を行い,白血球内に取り込まれているGram陰性の双球菌の存在によって行われていることが多い1).鏡検による診断は,迅速で簡便であり,外来患者の診断には有効な手段であるが,男性尿道炎患者では信頼度96〜98%であるのに比し,男性無症候尿道感染者や女性子宮頸管炎患者の診断では培養法による同定法の40〜60%の精度である2,3).
臨床検査室における淋菌の同定は,分離培養菌の生化学的性状検査によって行うのが一般的であり,分離の確率も検体を採取後,保温した培地に接種し,冷却することなく直ちに検査室に運んで培養を行った場合は,男性材料95%,女性材料85%であると報告されている4,5).しかし,検査結果の判定が出されるまで2〜3日が必要であり,検査材料の輸送に時間を要する場合は,検体中の菌の不活化によって分離検出率の低下を招くなどの欠点がある6).
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