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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻3号

1986年03月発行

文献概要

今月の主題 凝固線溶系の新しい検査 検査と疾患—その動きと考え方・109

血液凝固異常症

著者: 松田保1 伊藤恵子1 上田幹夫1 神野正敏1 朝倉英策1 日月香代子1 北尾武2

所属機関: 1金沢大学医学部第3内科 2国立療養所若松病院内科

ページ範囲:P.261 - P.267

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はじめに
 外傷を受けて血管が破れると,血液が血管外にあふれ出て出血を生ずる.この場合,血管の破綻部位には血小板が粘着,凝集して,これを機械的に閉塞すること,また凝集した血小板より遊離するトロンボキサンA2(TXA2)(「カラーグラフ」図1)により血管が収縮することによってある程度止血を生ずる.しかし,破綻した血管が大きい場合には,血小板のみでは十分ではなく,血液の凝固が必要である.
 血液の凝固は,血液が正常血管内膜とは異なる性質を有した表面と接触しても起こる.例えば血液を試験管に入れた場合である.ガラス製の試験管はプラスチック製の試験管に比べて"異物面"作用が強く,ガラス製の試験管に入れた血液はより早く凝固する."異物面"作用の本態は陰性荷電を有する表面とされる(「カラーグラフ」図2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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