文献詳細
文献概要
研究
脳波基準電極導出"平衡型頭部外基準電極法"の研究—心電図雑音の除去に関する基準電極部位の検討
著者: 阪本實男1
所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経科
ページ範囲:P.531 - P.535
文献購入ページに移動はじめに
脳波基準電極導出に平衡型頭部外基準電極法1)(以下,BNC導出と言う)がある.本法は右胸鎖関節(以下,Rt.scjと略す)と第7頸椎棘突起(以下,C7と略す)上の皮膚に基準電極を置き,そのおのおのに接続した20kΩの可変抵抗器の可動部を互いに連結した所を基準点として利用する(図1—a).ここで基準電極を頭部外に置くと心電図が混入するので,可変抵抗器を操作して心電図雑音の除去を行う.この導出法は基準電極の活性化が非常に小さく,現状では理想的な方法と考えられている.しかし,心電図雑音の除去操作が煩雑で,その除去も十分でないために臨床検査に普及していない.ところで心電図雑音の除去が不十分である原因の一つに,二つの基準電極部位が同じ水平面上になく,前頭面に対して前後に対称な位置(以下,前後に対称と言う)でないことが考えられる.この点に着目して,C7と前後に対称な部位(甲状腺峡部)に基準電極を置き,C7上に置いた基準電極とで平衡型頭部外基準電極(以下,BNCと略す)を構成すると,従来の方法に比較して良好な心電図雑音の除去が得られたので報告する.
脳波基準電極導出に平衡型頭部外基準電極法1)(以下,BNC導出と言う)がある.本法は右胸鎖関節(以下,Rt.scjと略す)と第7頸椎棘突起(以下,C7と略す)上の皮膚に基準電極を置き,そのおのおのに接続した20kΩの可変抵抗器の可動部を互いに連結した所を基準点として利用する(図1—a).ここで基準電極を頭部外に置くと心電図が混入するので,可変抵抗器を操作して心電図雑音の除去を行う.この導出法は基準電極の活性化が非常に小さく,現状では理想的な方法と考えられている.しかし,心電図雑音の除去操作が煩雑で,その除去も十分でないために臨床検査に普及していない.ところで心電図雑音の除去が不十分である原因の一つに,二つの基準電極部位が同じ水平面上になく,前頭面に対して前後に対称な位置(以下,前後に対称と言う)でないことが考えられる.この点に着目して,C7と前後に対称な部位(甲状腺峡部)に基準電極を置き,C7上に置いた基準電極とで平衡型頭部外基準電極(以下,BNCと略す)を構成すると,従来の方法に比較して良好な心電図雑音の除去が得られたので報告する.
掲載誌情報