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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻6号

1986年06月発行

文献概要

今月の主題 定量的細菌検査とその臨床的意義 技術解説

下痢便中のエンテロトキシンの検出法

著者: 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所細菌血清学

ページ範囲:P.601 - P.607

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 下痢便は,腸管感染症の唯一の証拠物件と言える.したがって,下痢便中には,原因微生物に由来した種々な物質が含まれているはずであり,その量はある程度菌量に比例するはずである.それらの中で,各微生物が産生する特異な毒素は,病態に直接関与するものであり,その検出をもって起病菌を推定することは,理にかなっていると言える.毒素の検出法をくふうすれば,毒素の有無判定に要する時間は検体入手後3〜4時間で済み,従来から行われている菌の検出・同定による診断決定法に比べ,はるかに迅速な診断法となりうる.
 本稿では,これらの可能性について述べるとともに,現時点における問題点にも言及した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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