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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻6号

1986年06月発行

文献概要

資料

心電図用感熱式記録紙の変色防止対策に関する検討

著者: 白井康之1 石山陽事1

所属機関: 1虎の門病院臨床生理検査室

ページ範囲:P.657 - P.660

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はじめに
 心電図記録用の感熱式記録紙には従来のワックスタイプが使用されていたが,その外観や感触が普通紙と異なり,表面のワックスが機械的に弱いなどの欠点があった1).しかし,最近これらの点の改良された二成分発色系の感熱式記録紙が製品化されている.この二成分発色系の感熱式記録紙は高感度で,解像度も高く,かつ生産性,経済性にも優れている2).ところが原理的に,有機溶剤に接すると変色するという欠点がある1).このことは,一般に発色感度が高いほど強調される.このため,心電図の記録中あるいはデータ整理中にアルコールなどに接すると,記録を汚す原因となる(図1).また,記録紙を台紙に固定する際,有機溶剤を含む接着剤を使用すると,保管中に変色し,後日の心電図判読に支障をきたすこともある.われわれは,従来の高感度記録紙の表面に富士写真フイルム社提供による耐熱性を有する特殊な高分子化合物を塗布することにより,上記のような有機溶剤による変色を防ぎ,かつ優れた熱応答特性を持った感熱式記録紙を作ったので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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