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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻9号

1986年09月発行

文献概要

今月の主題 唾液と汗 技術解説

唾液中の薬物濃度の測定

著者: 西原カズヨ1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.961 - P.970

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 臨床における薬物濃度モニタリング(TDM)において唾液を用いる意義は次の二点がある.第一に,フェニトインなどでは唾液中濃度のほうが血漿中総濃度よりも容易に血漿中の蛋白質非結合形(free)濃度を推定できることから,薬物の効果を判断するのに便利である.第二に,唾液の採取は採血に比べて患者に苦痛を与えず,いつでもどこででも簡単に行える.
 反面,現在TDMが行われているすべての薬物が唾液中に排泄されるわけではなく,唾液中に排泄される薬物でも唾液中濃度/血漿中濃度(Cs/Ct)値に個人差があるもの,個人内でも採取ごとに唾液流量や唾液pHの変化などによってCs/Ct値に大きな差を生じるものがある.後者では唾液pHの測定が必須である.さらに唾液採取に当たっては,薬物の口内残留,種々の唾液分泌の促進方法,採取後の唾液pHの変化などによって正確な値が得られないことがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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