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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻11号

1987年10月発行

文献概要

特集 生検の進歩 I 臓器別生検 i 組織診

3 消化管

著者: 渡辺英伸1 小山栄一1 岩渕幸雄1

所属機関: 1新潟大学医学部第一病理学教室

ページ範囲:P.1183 - P.1190

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はじめに
 生検(biopsy)とは,生体から採取した材料を顕微鏡的に検査し,診断を下すことである.広義の生検には細胞診,針生検,パンチ生検,手術材料や解剖材料の病理形態学的検査も含まれる.一般に消化管材料の生検では,内視鏡的採取材料の生検(endoscopic biopsy)〔鉗子生検(forceps biopsy),内視鏡的切除材料の生検(endoscopic resection biopsy)—内視鏡的ポリープ摘除材料の生検(endoscopic polypectomy biopsy)やstrip or jumbo biopsy〕1)と外科的切除材料の生検(surgical biopsy)とが主体を成す.
 生検では病理形態学,特に組織学的診断基準によって診断が下される.しかし,病変の組織学的診断基準はつねに絶対的なものであるとは限らず,既存のそれによって良性,悪性を判定しにくいこともある2).さらに,新しい臨床情報を導入することにより,既存の組織学的診断基準が変わる可能性も十分にありうる.炎症性腸疾患にあっては内科的治療や自然治癒で,病変の組織学的診断基準がすべて消失して,病変の肉眼的特徴(診断基準)のみが残存することもしばしばある3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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