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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻11号

1987年10月発行

文献概要

特集 生検の進歩 I 臓器別生検 i 組織診

7 内分泌器官(下垂体,甲状腺,副腎)

著者: 木村伯子1

所属機関: 1東北大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.1208 - P.1215

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はじめに
 下垂体,甲状腺,副腎はいずれも,組織発生を異にする下垂体前葉と後葉,甲状腺濾胞細胞と傍濾胞細胞,副腎皮質と髄質の組み合わせから成る臓器である.甲状腺濾胞と副腎皮質はその組織に固有のホルモンを産生するのに対し,その他の組織は神経内分泌組織(neuroendocrine tissue)として,多数の神経ペプチド,アミン,担体蛋白などを産生している.これらの発生を異にする組織が一つの臓器を構成していることの意義は必ずしも明確にはされていないが,ホルモンの産生,分泌の調節機構が明らかになるにつれて解明されるだろう.
 さて,生検におけるこれらの臓器の問題点としては,①腫瘍か非腫瘍か,②腺腫か過形成か,③良性か悪性か,④腫瘍マーカーの有無,などであろう.現時点で,これらの問題点が必ずしも形態学的に明確にされていないが,これは,増殖,変性,炎症という病態に,内分泌臓器の特徴であるホルモン産生という機能的な面が加わり,病像の解釈を複雑にしているためである.以下,各臓器別に上記のような問題点について触れていきたい.また限られた紙数であるので,腫瘍についてのみ述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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