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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻11号

1987年10月発行

文献概要

特集 生検の進歩 I 臓器別生検 i 組織診

14 卵巣

著者: 寺島芳輝1 小川雅久1 落合和徳1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.1253 - P.1256

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はじめに
 従来,産婦人科領域で生検といえば,その対象は子宮膣部,子宮頸部,子宮内膜,そして乳腺にほぼ限られていた.これは,子宮や乳腺における悪性腫瘍の好発部位が,生検を行いやすい部位にあるためである.逆にいえば,卵巣は腹腔内臓器であるがために生検を行いにくく,一般的とはいえなかった.しかし,不妊症領域などでは内視鏡が多用されるにつれ,卵巣に対する生検にも応用されるようになった.内視鏡を用いた生検材料は摘出して組織診に供するものに比べて,挫滅が多いことは否めないが,生体に対する侵襲が比較的少なく,将来,内視鏡は産婦人科医が必ず修得しなければならない手技の一つとなろう.このほか卵巣に対する生検材料採取法としては,従来から行われているように,開腹して卵巣を楔状に切除する方法がある(卵巣模状切除術).
 以下,内視鏡および模状切除による生検の適応と採取法の実際について述べ,さらに,生検材料の取り扱いにも言及することにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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