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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻12号

1987年11月発行

文献概要

今月の主題 透析と血漿交換 技術解説

血漿交換に伴う副作用の検査によるモニタリング

著者: 津田裕士1 河西利昭1 東名正幸1 藤田新1 横山真和1 橋本博史1 廣瀬俊一1

所属機関: 1順天堂大学医学部内科学教室

ページ範囲:P.1437 - P.1440

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 血漿交換療法は,血漿中の病因関連物質を除去することで病態の改善をはかる治療法の—つである.血漿分離の方法には遠心法と膜分離法があり,その血漿の処理法として(a)廃棄(b)膜濾過法ç冷却濾過法,(d)吸着法がある.
 副作用は大きく分けて,①体外循環による循環血液量の減少によるもの,すなわち,低血圧,ハイポボレミア,悪心・嘔吐などが施行中にみられる.次に,②置換液としての血漿製剤によるものとして,肝炎,蕁麻疹,アレルギー,低蛋白血症,低ガンマグロブリン血症があげられる,前者は,使用前の検査を十分に行うことが必要であり,後者は施行後は血液検査でよく確認することが必要である.③抗凝固剤によるものとして,低カルシウム血症,知覚異常がある.ほかに,貧血,溶血などもみられ,施行中から施行後の臨床検査を行って確認する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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