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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻12号

1987年11月発行

文献概要

新しいneuropeptides・5

GnRH-associated peptide(GAP),calcitonin gene-related peptide(CGRP)

著者: 石橋みゆき1

所属機関: 1東京大学医学部第3内科学教室

ページ範囲:P.1486 - P.1495

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GAPの歴史
 ゴナドトロピン分泌促進因子(gonadotropinreleasing hormone;GnRH)は,luteinizing hormonereleasing hormone(LH-RH)とも呼ばれ,下垂体のゴナドトロピンの分泌を調節する視床下部ホルモンである.GnRHは10個のアミノ酸からなるホルモンで,1971年に構造が決定された1).Schallyはこの業績により,ノーベル賞を授与されている.GnRHは,現在,ゴナドトロピン分泌予備能の検査のほか,ゴナドトロピン単独欠損症,中枢性性早熟症,前立腺癌などの治療に用いられている.
 1984年,Seeburgらは,ヒト胎盤由来のGnRHのmRNAを用いて,cDNAのクローニングを行い,GnRH前駆体の構造を決定した2).前駆体はプロセッシングを受け,GnRHと56個のアミノ酸からなるペプチドを派生するものと考えられるが,彼らは後者をGnRH-associated peptide(GAP)と名づけた.ひき続きPhillipsらは,ラット視床下部のGnRHニューロンや正中隆起の神経終末にはGnRHの免疫活性と同時にGAPの免疫活性が存在することを示した3).最近,Clarkeらは,卵巣を摘除したヒツジの下垂体門脈血を採取し,GnRHとGAPの免疫活性を測定した結果,両者が平行して,律動的に下垂体門脈血中に分泌されていることを確認している4).これらの事実は,GAPが視床下部から下垂体門脈血中に分泌され,下垂体機能を調節するホルモンである可能性を示している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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