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雑誌詳細

文献概要

今月の主題 ドライケミストリー 技術解説

尿のドライケミストリーによる検査

著者: 中恵一1 肥塚卓三2

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室 2大阪市立大学医学部附属病院中央検査室

ページ範囲:P.1553 - P.1559

 尿を試料とするドライケミストリーはブドウ糖に始まり,今日もこれがもっとも頻度高く利用されている,その技術は今日の臨床検査分野におけるドライケミストリーの端緒となった試験紙法である.反応に必要な試薬は濾紙を構成するセルロースファイバー空間内に乾固されて固定され,長期間安定で試薬秤量も不要であるし,検体も秤量する必要はない,一方,検体の添加という一回限りの操作に限定されるため,ドライケミストリーの発達史はその試薬のくふう,反応原理の考案の歴史である.今日,pH,蛋白,ブドウ糖,潜血,ウロビリノーゲン,ビリルビン,ケトン体,細菌,白血球,アスコルビン酸,塩化物,HCGなど日常に用いられている項目でも10を優に超える.反射率測定法の導入により半定量から定量へと移行し,尿のドライケミストリーはさらに発達し続けている.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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