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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻13号

1987年12月発行

今月の主題 ドライケミストリー

総説

ドライケミストリーの歴史と展望

著者: 奥田清1

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.1561 - P.1565

文献概要

 はじめに
 1978年,メキシコシティーにおける第10回国際臨床化学会で大きなトピックスとして注目を集めたものに米国イーストマン・コダック社が同社の得意とするカラースライド技術を駆使し,臨床検査用の分析システムとして開発に成功した固相化学法(Solid State Chemistry)があった1).これは同社のKennardらを中心とする開発チームが十数年にわたって蓄積して来た研究成果を連続9題の演題にまとめて発表したもので,もちろんそのインパクトは強烈であった,豪華ホテルのスウィートルームで行われたプロトタイプ機によるデモンストレーションは押すな押すなの盛況で招待者を迎えるスタッフの誇らしげな表情が印象的であった.ドライケミストリーという用語が眼につくようになったのは,ちょうどその頃からと思われるが,先発していたSeralyzerを参考にしたコピーライターの新造語かもしれない.
 このドライケミケストリーという概念がそれまで一般化していた尿の試験紙,あるいはアンプルタイプのいわゆるインスタントテストのあるものなどを包括する新しいシステムとして理解されるに従って,臨床化学の一分野として市民権を得るようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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