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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻13号

1987年12月発行

文献概要

研究

イムノブロット法による単クローン性高IgM血症およびBence Jones蛋白の微量同定法

著者: 末平滋子1 小出典男1 中力紀子1 江口和子1 田辺紀子1 斎藤利輿1

所属機関: 1岡山大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.1599 - P.1604

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はじめに
 単クローン性高免疫グロブリン血症の免疫グロブリンクラスやそのL鎖の同定には,Grabar&Williams法による免疫電気泳動が汎用されている.しかし,同法では微量の単クローン性免疫グロブリン同定が困難であり,同定不能と結論せざるをえない場合がある.特に高IgM血症では,アガロース電気泳動上IgMが塗布点から移動せず,沈降線が観察困難である場合や,IgM以外の免疫グロブリンに干渉されて抗L鎖抗体によるM-bow形成が不良となる場合があることが知られている.
 一方,Bence Jones蛋白(B-Jp)検索においても,同法ではほとんどの場合,尿を濃縮する必要がある.また市販の抗ヒトB-JP血清の力価が低く,特にλ型では沈降線形成が不良になることが多い.これらに対処し,確実に免疫グロブリンクラスを同定するため,アガロースゲル内での免疫固定法1〜3)が広く併用されているが,多量の抗血清を必要とするという困難さがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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