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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻6号

1987年06月発行

文献概要

今月の主題 リウマトイド因子 総説

リウマトイド因子

著者: 塩川優一1

所属機関: 1順天堂大学

ページ範囲:P.623 - P.627

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 リウマトイド因子の概要
 リウマトイド因子(rheumatoid factor;RF)は,慢性関節リウマチ(以下RA)の血清中において発見された,特殊な蛋白質である.これは現在,血清中の免疫グロブリン,IgG分子のFc部分上にある抗原決定基に対する自己抗体であることがわかっている.RFは,1940年代にWaaler,ついでRoseによって発見された.すなわち,ウサギ抗体によって感作されたヒツジ赤血球が,RA患者の血清によって凝集されることより,RAに特異的な因子の存在を推定したのである.やがて,これは自己抗体であることがわかったが,RFの名称は残されている.
 最初は,RFはRAの原因であるとされた.しかし,やがて,RFは決してRAに特異的ではなく,そのほかの疾患にも見られることがわかった.現在では,RF以外にも,IgGの種々の抗原決定基と結合する免疫グロブリンが知られている.しかし,これらは,抗グロブリン因子と呼ばれ,RFとは区別されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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