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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻6号

1987年06月発行

文献概要

研究

免疫ペルオキシダーゼ染色法を用いたvon Willebrand因子マルチマーの解析法

著者: 高橋芳右1 帯刀亘1 柴田昭1

所属機関: 1新潟大学医学部第1内科

ページ範囲:P.665 - P.668

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はじめに
 von Willebrand因子(vWf)は,血管内皮細胞および骨髄巨核球で産生される高分子の糖蛋白質である.循環血漿中では,vWfは非共有結合により第VIII因子と複合体を形成して存在しているが,両者はまったく別個の蛋白質であり,別個の機能を営み,独立した遺伝子支配を受けている.vWfは血小板膜糖蛋白質(GP IbとGP IIb/IIIa)およびコラゲンに対する結合部位を有し,傷害を受けた血管の内皮下組織への血小板粘着および血小板血栓形成を促し,一次止血に重要な役割を果たしている.vWfは正常血漿中では均一の蛋白質構造をしているのではなく,分子量0.5〜20×106の広範囲に不連続に分布するマルチマーから成る1,2).分子量500000のプロトマーは,アミノ酸2050個より成る分子量225843の蛋白質に糖鎖が着き分子量約278000となったサブユニット3)が2個S-S結合したダイマーであり,その長さは100〜120nmである4).このプロトマーがS-S結合により端々結合し,長さ2μmまでのひも状のマルチマーとなる4).vWfの機能は主にそのマルチマー構成により規定され,高分子マルチマー(またはlarge multimer)がもっとも活性が高く,低分子マルチマー(またはsmall multimer)は活性が低い1,2).したがって,vWfの量的減少あるいは高分子マルチマーの欠如があると,異常出血をきたすことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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