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編集者への手紙
ASO価の異常高値を示した骨髄腫の一例
著者: 杉村智恵子1 山永みゆき1 石丸寿男1 横山裕1 森村義行1 岡田三徳2 北野公造3
所属機関: 1関西労災病院検査科 2関西労災病院内科 3関西労災病院整形外科
ページ範囲:P.683 - P.684
文献購入ページに移動骨髄腫は形質細胞の腫瘍性増殖を本態とする疾患であるが,その腫瘍細胞が産生する異常蛋白(ミエローマ蛋白)やBence-Jones蛋白の出現など蛋白代謝異常を示す点が,病態像の特徴として古くから注目されてきた.ミエローマ蛋白は電気泳動的に均一で,スパイクピークとして認められ,M蛋白あるいはM成分などと呼ばれてきた.また,このM蛋白はparaproteinとも呼ばれ,腫瘍化した単一のクローンから産生される均一な分子であり,性格的には異常蛋白であると考えられてきた1).しかしながら,近年骨髄腫以外にもM蛋白を伴う疾患の存在が知られ,同時に,M蛋白の中に定型的な抗体,あるいは抗体様活性を持つものが種々報告されるようになった.その中でも,特に注目されているものに寒冷凝集素や抗ストレプトリジン活性があるが2),今回われわれは著明な高ASO活性を伴ったIgG(K-type)型多発性骨髄腫の一例を経験したので報告する.
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